社団法人日本販路コーディネータ協会が認定する販路コーディネータ資格は、商品企画、製品開発、販売チャネル戦略構築で活躍する、マーケティングコンサルタント資格です。

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■マネジメントマーケティングとは

「マネジメントマーケティング」
 
全社的概念で実行を
社会変革スピードに対応
マーケティング機能の複合化

 近年は新たなメディアの登場などにより、これまでの企業活動で適応可能なスピードを遥かに超えて、マーケットは変革を続けていると考えます。そのスピードのギャップから、対応が後手にならざるを得ず、企業にとっては厳しい状況にあると思われます。この原因のひとつは、マーケティングの捉え方にあるのではないでしょうか。
 これまでのマーケティングは、研究、開発、製造、人事、財務、営業などと並ぶ企業活動の一部としてとらえられてきました。しかしながら、マーケティングを単機能として実行するだけでは市場への対応が追いつかなくなっています。
 そこで、これからはマーケティングを単機能としてではなく、「あらゆる取り組みにおいて先行する全社的な概念としてとらえ、実行し、適応すること」が必要であると考えます。それは経営ビジョン、経営計画を含むあらゆる企業活動においてマーケティングが常に先行するという考え方です。私は、これを「マネジメントマーケティング」と呼んでいます。
 マネジメントマーケティングは、川下から川上を見つめ、経営全体、経営の根幹までを含めて構築するものです。マネジメントマーケティングとは、いわば「市場の視点」から企業の活動全体をみるものといえます。 マーケティングの概念は、生産志向から製品志向へ、さらに販売志向へと、時代とともに変化してきました。しかしいずれにしても、マーケティングの考え方の出発点は「市場の視点」です。  
 市場サイクルの時間差が長いか短いかが重要な時代となっています。作れば売れる時代にはマーケティングは今日ほど意味がないものでしたが、競争が激化し、売上が減少し、成熟化社会になると、限られた市場に対して限定されたマーケティングの必要性が高まることは必然的だといえます。マネジメントマーケティングを全社の基礎的概念として取り組まなければならない時代になっているのです。

日刊工業新聞2008年9月24日掲載(日本販路コーディネータ協会理事長 小塩稲之)


1.マネジメントマーケティングとその背景

 企業にとって、技術力のみではなく、販売力の強化や事業効率性の向上による経営基盤強化は早急に解決すべき課題であり、さらには事業毎のPLの早期黒字化が望まれています。マネジメントマーケティングは、企業を取り巻く社会経済環境や企業への支援・産業振興施策の現状、新たなシステムに関する議論の経緯を踏まえて、「市場の視点」から、実際に企業の抱える問題解決を実践するものです。そのため、産業活性化プロジェクトにおける新事業の技術開発から市場化までの一貫支援要素の一つとして、産業クラスターの創成を促進させるものとしても位置づけられるでしょう。
 企業の事業化は一般に大きく分けて�@市場ニーズ把握、�A製品コンセプト、�B研究開発、�Cプロトタイプ、�D生産(量産)、�E流通・販売、�Fメンテナンス・アフターフォロー、�G市場評価のプロセスを経て成立するものであり、企業支援においても、各プロセスで企業が不足する部分を補完する一貫した事業化支援を行う視点が大切です。研究開発段階からプロトタイプ、完成品化までの工程には、一定の育成期間が必要です。また、プロトタイプから製品完成化までには多くの課題があります。
 開発から商品化、販売に至る過程においては、試作品を完成するまでの資金、また製品として完成するためにはより一層の時間・資金・労力が必要です。さらに、市場調査などで顧客の潜在需要をつかみ、販売先経路に乗せ、販売計画・販促宣材物を用意し、初めて商品として完成し、販売ができるようになります。さらにここでは、それまでの10倍以上の労力が必要といわれています。アイデア→開発とプロトタイプ(試作品)→製品化、さらに製品化→商品化の間には大きな違いがあります。
 例えば、本来の製品差別化・特徴としているものが実現性のある製品として発揮されていない、プロトタイプ完成までに、メンテナンス・サービスなどの対応が考えられていないなどの課題が多くあります。特に商業製品では、製品差別化・特徴のコンセプトはできていても、プロトタイプの製造前に行わなくてはならない商品デザインやパッケージングが市場把握されていない、物流が対応していないなど多くの問題があります。したがって、市場構造分析、ブラッシュアップ、販路コーディネート支援を軸に、商品を製造するためのこの一貫したあり方には、それぞれのマーケティング活動としての市場調査などが重要になってきます。

2.マネジメントマーケティングの基本
 近年のマネジメントの実情を見ると、ITなど新たなメディアの登場によりマーケットの変革スピードが、これまでの企業活動で適応可能なスピードを遥かに超えて変革し続けています。そのスピードのギャップからその対応が後手にならざるを得ず、極めて厳しい状況にあります。これまでのマーケティングは、研究、開発、製造、人事、財務、営業などと並ぶ企業活動の一部として捉えられてきました。しかし、マーケティングを単機能として実行し、その結果を持って他の機能の適応を進めることでは市場への対応が追いつかなくなっていますそこで、これからはマーケティングを単機能としてではなく、あらゆる取り組みにおいて先行する全社的な概念として捉え実行し適応することが必要であると考えます。それは「経営ビジョン、経営計画を含むあらゆる企業活動においてマーケティングが常に先行する」という考え方です。これが「マネジメントマーケティング」です。「マネジメントマーケティング」は、川下から川上を見つめ、経営全体、経営の根幹までを含めて構築するものです。マネジメントマーケティングとは、いわば「市場の視点」から企業の活動全体を見るものといえます。
 販路コーディネータは、企業のコアコンピタンスが何であるのかを的確に把握し、それをどのようにすれば強化・拡充でき、企業としての成長が図れるかを常日頃から考えている必要があります。それは企業に何が不足しており、それをどこから、どのようにして補っていくかを考えることから企業の成長や革新が始まる、と考えなければならないとも言えます。販路コーディネータの役割は、企業の課題の本質を明確化し、その課題の解決を図り、企業を望ましい方向に導くことです。ここで重要なことは、その企業における特定分野のどこに問題があるのか、その企業の課題を発見できる人材は誰なのかということです。
 多くの企業が、優れたシーズ、技術は有るものの、マーケティング力不足、資金不足、人材不足という課題を抱えています。特にマーケティング力不足は、消費者視点に立った売れる商品の仕組みづくりができないという状況を生み出しています。マーケティング力に乏しいメーカーが、開発・製造した売れない製品が市場に投入されてしまうケースは後を絶ちません。マネジメントマーケティングにおける戦略は、このような企業の課題解決から、事業方針、調査、販路開拓までの実行作業を、どの様に推進すれば旨く行くのかと言う取り組みと、企業の商品、販売、販売促進、製品開発技術のビジネスプラン、ブラッシュアップ、販売戦略などにおける事業化戦略として捉えることが重要です。

■マネジメントマーケティングの展開

マネジメントマーケティング会議(MMC)
 マネジメントマーケティングの考え方を基本として行う戦略会議。メンバーの多用性が極めて重要なポイントになります。画一的な背景を持つメンバー構成では、課題の気付きや、新たな発想のコラボレーションによるイノベーションが起こり得ないからです。マネジメントマーケティングでは、激動するマーケットを全社的に敏感に察知し、即応することが求められます。会議メンバーひとりひとりがマーケッターとしての視点を持ち、アンテナを張り巡らせ、会議にフィードバックする姿勢が重要になります。会議の基本的な進行は、8つのステップとして体系化されています。

マネジメントマーケティング・プログラム(MMP®)
 マネジメントマーケティング会議の活動を基本に育成研修として体系化したプログラム。実践のスキルと知識を高めることが目的です。商品、販売、販売促進、技術における基礎知識の上に立ち、人材育成を軸に体系化した実践的な戦略型研修です。新規事業戦略コース、新製品開発コース、販売チャネル調査コース、販路開拓コース、販売促進コースなど、おける事業化支援領域で構成されています。チームで問題解決を図りながら、戦略策定を行います。

マネジメントマーケティング戦略シート
 マネジメントマーケティング戦略の実行のために体系化されたツールのひとつ。ケースにより最適なモデルを選択し、必要に応じて最適化しながら活用します。

製品評価
 販路コーディネータの製品評価では、製品の研究・技術評価、並びに新規性、優秀性、市場性の評価、企業力、経営力評価、事業計画の妥当性、事業遂行能力評価などに細分化して評価を数値化し、レーダーチャートとしてまとめます。

プロトタイプ調査
 プロトタイプの段階で、対象市場の市場環境(新規性、優秀性、市場性、成長性)、競合環境、市場ニーズなどについて分析、設定を行い、想定した販売先を対象に市場調査を実施します。市場調査の実施を通じて、事業アイデアの市場可能性も同時に検証します。さらに市場調査の結果を踏まえて、市場ニーズにマッチした製品化の課題を抽出、対象市場の市場環境や、市場ニーズを明確化します。市場ニーズにマッチしない製品開発や、成長性が乏しいマーケットへの新製品の市場投入を防ぐことができます。

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